SEL35F18使用レビュー 5つのメリットと3つのデメリット

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こんにちは、ブログ担当の内海です。

今回は私がα6000用に初めて買った交換レンズ【SONY E 35mm F1.8 OSS】(以下SEL35F18と表記)のレビューを書いていきたいと思います。

SEL35F18はSONY純正の35mm(フルサイズ換算52.5mm)単焦点レンズで開放F値は1.8と、かなり明るい部類のレンズとなっています。

標準の電動ズームレンズSELP1650(以後標準レンズと表記)のF値はF3.5からですので、F1.8はとても明るいことがわかります。

そんなSEL35F18ですが、明るいだけでなく比較的安価にも関わらず、高い描写力を持っています。

それでは、私が買ってよかった!と心から思えるSEL35F18のレビューをしていきたいと思います。

目次

1.購入動機

SEL35F18を購入したいと思ったキッカケですが、一番は単焦点レンズというのは撮影する人のスキルアップに役立つというのを聞いたことがあるからです。

単焦点レンズはその名の通り、焦点距離が単一に固定されているレンズなので、ズームリングを回すだけで簡単にフレーミング出来てしまうズームレンズと違い、写真を好きな構図にするには自分の足で前後に移動しなくてはなりません。

初めはこの感覚が慣れるまで時間がかかりますが、足を動かして繰り返し同じ単焦点レンズを使用していくうちに、自然と被写体との最適な距離感が掴めるようになって行きます。

距離感を掴めるようになれば撮りたいものが目の前にある場合、撮りたいもの全体をフレーム内に収めるにはどのくらいの距離を開ければ良いという感覚が分かるようになるのです。

内海

この感覚を養わせてくれることこそ、単焦点レンズがスキルアップに役立つと言われている所以なんです。

SEL35F18のような35mm(フルサイズ換算52.5mm)は、広角と望遠の中間に位置する標準域の焦点距離なので、この距離感を掴むことでそれよりも近くあるいは遠くの物を撮りたいと思った時に、何ミリのレンズがあれば良いといった具合で大体の予想を立てたりすることも出来るようになります。

これは後々異なる焦点距離の単焦点レンズを買い足すことになった場合でも、自分の欲しい画角を選ぶ足がかりにもなるため、まさにフルサイズ換算で50mm前後の単焦点レンズはカメラ初心者が最初に買うべきレンズと言えるのです。

内海

SEL35F18は写りも評判だったのが購入する決め手となりました。

2.外観とスペック

ここからはSEL35F18の外観とスペックについてまとめていきます。

外観

α6000に装着した時の外観はこんな感じです。

フードを表向きに装着した時の見た目はカッコいいですね。

メタルインナーフード装着時の外観

ちなみに私は一時的に純正フードを無くしてしまったことがあり、その代わりとしてエツミさんのメタルインナーフードとフロントキャップを購入したのですが、フードが見つかった後も使い勝手の良さから現在でも使用しています。

インナーフードとは文字通り内側に向いているフードのことです。

フードが内側だと写真に写り込んで(ケラレて)しまわないかと思われるかもしれませんが、全く問題なく撮影できます。

インナーフードはレンズフィルターの雌ねじに装着する形式になっており、普通のフードと違って付けっぱなしにしておいても全く邪魔になりません。

さらに、フロントキャップにはゴム紐が付いているので、ストラップに通しておけば無くす心配もなく撮りたい時にサッと外してぶら下げておくだけで良いので、これがかなり便利なのです。

ただ、純正のものを使用している時と比べてレンズが先細りの印象になるため、この辺の見た目は好みが分かれるところかと思いますが……。

内海

私は見た目より利便性を求めましたw

ちなみにこのメタルインナーフードはSEL16F28という広角のパンケーキレンズに使用してもケラレません。

つまり、使いまわしが出来るので見た目に問題がなければ個人的にはかなりオススメです。

質量

純粋なレンズの重さを求めるため、レンズキャップやフィルター、フードなどは取り外して計量しています。

SEL35F18単体の質量

SEL35F18単体の質量
SEL35F18の質量は約154g

SEL35F18の質量は約154gです。

カタログスペックでも154gと記載があるので、ピッタリ同じですね 。

α6000にSEL35F18を装着したときの質量

α6000に装着したSEL35F18の質量(フード、フロントキャップ無し)
α6000に装着すると約480g(フード、フロントキャップ無し)

α6000に装着したときの質量は約480gとなりました。

ちなみに標準レンズを装着したときの質量は……

α6000に標準ズームレンズSELP1650を装着すると約451g
α6000に標準レンズを装着すると約451g

約451gですので、SEL35F18を装着した質量との差は約29gとなります。

29gというと、エネループのスタンダードモデル単3形1本とほぼ同じ重さです(約27g)。

たかが電池一本分なので、気にするほどの差は無いと言えますね。

α6000に装着したSEL35F18の質量(フード、フロントキャップ有り)
α6000に装着すると約508g(フード、フロントキャップ有り)

また、フードとフロントキャップも入れると約508gとなります。

おまけ:メタルインナーフードを付けた場合の質量

α6000に装着したSEL35F18の質量(インナーフード、フロントキャップあり)
インナーフードとフロントキャップを装着すると約503g

ついでに先程紹介したメタルインナーフードを装着した際の質量も調べてみました。

インナーフードは金属製(多分アルミ?)なので樹脂の純正フードよりも重くなるかと思いましたが、こちらのほうが5g軽いことがわかりました。

内海

ちょっと意外でした

フィルター径

フィルター径はφ49mm
フィルター径

SEL35F18のフィルター径はφ49mmです。

全長

SEL35F18の全長は45mm
SEL35F18の全長は約45mm

SEL35F18の全長は約45mmです。

比較として標準レンズの全長は以下の通り。

標準レンズの全長は30mm(電源オフ)
標準レンズの全長は電源オフだと約30mm
標準レンズの全長は50mm(電源オン)
電源をオンにすると約50mm

標準レンズは電源オフの状態ではレンズが内部に収納されるので全長は約30mmとSEL35F18よりもコンパクトになりますが、電源オンにするとレンズが前に伸びてくるので全長は約50mmとなり、標準レンズのほうが若干長くなります。

内海

持ち運んでいる時の携行性は電源オフ状態の標準レンズに軍配が上がりますが、とは言えたった15mmほどの差なので気にならないレベルだと思います。

3.SEL35F18を実際に使ってみて感じたメリットとデメリット

ここからはSEL35F18を実際に使っていて感じたメリットとデメリットについてまとめていきます。

メリット

  • 低価格帯レンズでありながら描写力がスゴイ!
  • 主役を引き立てる写真がビシッとキマる
  • 明るく撮れてよくボケる
  • 軽くてコンパクト
  • レンズ内手ブレ補正有り
内海

私が使ってみて感じたメリットはこの5つです。
それでは詳しく見てみましょう。

・低価格帯レンズでありながら描写力がスゴイ!

安価なのに描写力が高い
低価格帯レンズでも申し分ない描写力!

こちらの写真はSEL35F18を購入して間もない頃に撮影したものです。

SEL35F18を購入する前までは標準レンズしか使ってこなかった私でしたが、まるで世界が変わってしまいました。

単焦点レンズは一つの焦点距離だけに集中して光学設計されているので、同価格帯ズームレンズよりも画質が良いとは聞いていましたが、実際に撮ってみてその差にビックリしました。

しかも比較的安価(2020年現在の実売価格35,000円ほど)で買えるので、まさにコスパ最強だと思います!

内海

気分はさながらプロカメラマン!

・軽くてコンパクト

単焦点レンズはズームレンズと比較して質量が軽いというメリットがあります。

その理由として、ズームレンズは広い範囲の焦点距離全てにおいて鮮明な像を映し出せるようにするため、何枚ものレンズを組み合わせる必要であるのに対し、単焦点レンズは焦点距離が固定されているので使用するレンズの枚数は少なくて済みます。

レンズの材料はガラスで出来ているため、枚数が少ないほど軽くなるという訳ですね。

標準レンズと比べてもその重さは約29gほどしか変わらないので肩に掛けていても感覚的にはほとんど変わりません。

また、2.外観とスペックで実際に装着した写真を見てもらえばお分かりの通り、標準レンズとほぼ変わらないサイズなので、取り回しの良いレンズと言えるでしょう。

内海

子供と近所の公園へ散歩に行くときのお供レンズはSEL35F18でキマリですね。

・主役を引き立てる写真がビシッとキマる

ポートレートでキマる

SEL35F18はフルサイズ換算52.5mmという焦点距離なので、ポートレート撮影やテーブルフォトなど、主役を引き立てたいシュチュエーションで得意なレンズです。

ポートレートであれば人物より1~2mくらい空ければ、胸から上の自然な印象の写真を撮ることができます。
この1~2mというのは付かず離れずのとても良い距離感で、一緒に歩いている子供の一瞬だけ見せる自然な表情を狙い撃ちすることもできます。

ハトが見せる一瞬の表情を狙い撃ち
ハトのポートレートもビシッとキマる

子供の写真を載せるのは少し抵抗があるので、代わりにハトのポートレート写真を載せておきますw

かなり近づいても逃げる様子のないハトだったので、50cmくらいまで近寄って撮影しました。

内海

このようにハトが見せる一瞬の表情も狙い撃ちできますw

小物撮影でキマる

SEL35F18は小物の撮影時にも真価を発揮してくれます。

ブライトメイクのインスタグラム用写真
インスタグラム用に撮影したブライトメイク

上の写真は当社オリジナルブランドの携帯用電動歯ブラシ「ブライトメイク」をインスタグラム用として撮影したものです。

この電動歯ブラシの全長は15cm程ですが、SEL35F18は最短撮影距離が30cmなので、小物の写真でも限界まで近寄ればこのような写真に仕上げられます。

内海

当インスタグラムに載せている写真はほぼこのSEL35F18で撮影してますので、良かったら覗いてみてください。

テーブルフォト(料理撮影)でキマる
料理の写真
料理写真もお手の物

テーブルフォトや料理の写真を撮るときなどは、少しだけ後ろに下がる必要はあるものの、席に着いたまま撮影することが可能です。

内海

52.5mmの焦点距離に慣れてくると、被写体との距離でどういう絵になるかがだんだん分かってくるので、撮影するのが面白くなってきますよ!

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・明るく撮れてよくボケる

F値開放でよくボケる
F値開放でよくボケる、キレイ

レンズはF値と呼ばれる数値が小さければ小さいほど背景を大きくボケさせることができます。

上の写真のように花を真横から撮影すると、F1.8で背景のボケ具合がいい感じにトロットロになりました。

また、下の画像を御覧ください。

この2枚の写真は三脚に固定した状態で撮影したもので、それぞれF値を変えています。

写真左がF5.6、写真右がF1.8です。

このようにF5.6よりもF1.8で撮影した写真のほうが背景が大きくボケているのが分かりますね。

薄暗い山中で見つけた黄色いキノコ
薄暗い山中で見つけた鮮やかなキノコ

また、F値が小さいほど光を多く取り込めるようになるため、暗い場所でもシャッター速度は早く、ISOも低く押さえられるようになるので、手ブレやノイズを低減出来るようになります。

上の写真は飯能アルプスを縦走中、天覚山から大高山を目指している山中で見つけた色鮮やかなキノコを撮影したものです。

山の中では背の高い木々に囲まれているため、日中であっても陽の光が遮られるためどうしても薄暗くなってしまいます。

ですが、上の写真ではF2まで開いているので、シャッター速度は1/100秒ISO100まで稼げているので手ブレやノイズの無い鮮明な写真を撮影することができました。

F値というのは1段開くごとに光の量が2倍になると言われています。

例えば標準レンズは35mmまでズームすると開放でもF5.6です。
一方SEL35F18はこれまでにも書いたように開放でF1.8です。

F5.6からF1.8の間は「F4、F2.8、F2」と続くため3段分異なり、F1.8はF2からさらに1/3段分開くので、単純比較してSEL35F18は標準レンズの約8.3倍明るいということになりますね。

F値と露出の関係について解説した記事はこちらで詳しくまとめています。

このように光量の少ない環境下でも手持ちでかつフラッシュを使わずともキレイに撮れるのはSEL35F18の強みと言えるでしょう。

内海

もちろんF値を上げれば背景をボカさずクッキリ(パンフォーカス)に撮影可能なので、レンズ一本で色んな撮り方が出来て写真の幅が広がりますよ。

・レンズ内手ブレ補正有り

α6000などで使用されるEマウント規格で焦点距離がフルサイズ換算50mm前後のレンズというと、SIGMA製で30mm(フルサイズ換算45mm)のものレンズが存在しています。

価格もSEL35F18とほぼ同等で、写りにも評判があるのですが、唯一の弱点としてSIGMA製のレンズには手ブレ補正が入っていません。

その点は流石SONY純正ということで、SEL35F18には手ブレ補正がちゃんと入っていますので、メリットの一つと言えるでしょう。

内海

私はこのSEL35F18が初めて買う交換レンズだったこともあり、SONY純正のレンズを選びましたが、気にならないのであればSIGMA製のレンズも検討するのもアリだと思います。

デメリット

  • 当然ながらズームは出来ない
  • 35mm(フルサイズ換算52.5mm)の画角は慣れないと狭く感じる
  • 屋内撮影は不向き
内海

SEL35F18のデメリットはほぼ無いと言っても良いくらいですが、メリットばかり挙げるのも良くないので、3つばかりひねり出して見ました。
それでは、詳しく見てみましょう。

・当然ながらズームはできない

当然なことなのですが、単焦点レンズの唯一にして最大のデメリットと言えるでしょう。

単焦点レンズは特に撮りたいものが決まっていない時や、臨機応変さが必要なシュチュエーションでは不利になります。

例えば動物園などに出かけた場合は、柵から顔を乗り出してくるヒツジがいたと思えば、柵から遠く離れた木陰で休んでいるシカがいたりします。

このような状況では、焦点距離の異なる単焦点レンズをいくつも持っていくよりも高倍率ズームレンズ一本持っていった方が遥かにラクチンです。

・35mm(フルサイズ換算52.5mm)の画角は慣れないと狭く感じる

これまで標準レンズしか使ってこなかった私にとって、初めて使う35mm固定の画角というのは少し狭く感じてしまいました。

というのも、標準レンズの焦点距離は16~50mmですが、電源を入れると必ず広角端の画角から表示されるため、頭の中で勝手に16mm(フルサイズ換算では24mm)が普通だと思ってしまうわけです。

35mmというと標準レンズを半分くらいズームした画角に当たるので、SEL35F18を使い始めの頃はどうしても「あれ?なんか視界が狭いな」と思ってしまうのです。

私のように標準レンズしか使ってこなかった方は、SEL35F18を購入する前に一度標準レンズの焦点距離を35mmに合わせた状態で何度か撮影するなどして画角の確認をすることをオススメします。

内海

最初は少し不便に感じますが、これもカメラの腕を上げるための勉強だと思って使い続けてください。
次第に感覚が慣れてきますよ!

・屋内撮影は不向き

雛人形の飾り
限られたスペースで大きな被写体全体を収めるのは難しい

上はつい最近撮影したものですが、近所を散歩していたところにたまたま見つけた、区の指定文化財で大正時代に建てられた古民家を訪れた際の写真です。

2月末頃だったこともあり、雛人形の飾り付けが年代別で和室二部屋に渡ってズラッと並んでいたので、ひな壇全体を撮りたかったのですが、部屋の目一杯後ろまで下がっても全てフレーム内に収めることが出来ませんでした。

雛人形の飾り2
角度を変えて見るも写真内に収まりきらない

全体を撮るのは諦めてせめて手前2基のひな壇だけで収めようと、今度は角度を変えて正面から撮影しましたが、やはりスペースが限られているので中途半端な切り取り方になってしまいました(しかもローアングルだったので画面がうまく確認できず写真が左に傾いてしまう……)。

この日はSEL35F18しかレンズを持っていなかったので、どうしてもこの切り取り方が限界でした。

内海

お内裏様やお雛様一体一体に絞った撮り方ならSEL35F18で何も問題ないんですけどね。

このように、SEL35F18の画角では限られたスペースでの撮影は少し苦手です。

別の例だと、親戚一同集まって部屋の中で記念撮影を撮るという場合でも同じです。

部屋の広さや集まった人数などにもよりますが、部屋の中で大勢の人物を撮影するには、それなりに距離を空ける必要があるため、全員がフレームに収まりきれない可能性があります。

先程の雛人形の件にしても記念写真の件に関しても同じことが言えますが、このような場所へ行くと予め分かっていたならば、私はSEL35F18よりも融通の利く標準レンズを持って行ったと思います。

内海

合理的なズームレンズ、こだわりの単焦点レンズ」という言葉があるくらいなので、どちらが良い悪いという話ではありません。
撮りたいものや状況に応じて、その都度最適なレンズを選ぶことが大切なんですね。

4.メリット・デメリットまとめ

メリット

  • 低価格帯レンズでも描写力はスゴイ!
  • 軽くてコンパクト
  • 主役を引き立てる写真がビシッとキマる
  • 明るく撮れてよくボケる
  • レンズ内手ブレ補正有り

デメリット

  • 当然ながらズームは出来ない
  • 35mm(フルサイズ換算52.5mm)の画角は慣れないと狭く感じる
  • 屋内撮影は不向き

5.α6000×SEL35F18ギャラリー

6.最後に

いかがだったでしょうか?

SEL35F18を持って外を散歩すると色々なものが違って見えるようになりますよ。

それでは、最後までありがとうございました。

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